キドラット・タヒミック/戦後のラブレター(イフガオの棚田から新潟の棚田へ、愛をこめて) [芸術祭作品・十日町北部]
隠れ作品的な最後の番号の作品。
場所はバタフライパビリオンからうぶすなの家に向かう途中、北へ上る道があります。大きな棚田の上にどーんと見えます。2003年「盆景Ⅱ」があった場所。
駐車場は手前の道路沿い。近くに行くためには100m近く山道を登ります。
登る根性が無く、下からの写真しかありませんが、ここはどこの国?という印象です。棚田は日本だけに見られるものではないので、建物を変えれば同じように見えるのかもしれません。
戦後のラブレター、という言葉に平和への祈りを感じます。
戦後のラブレター(イフガオの棚田から新潟の棚田へ、愛をこめて)
水谷一/隆起する部屋/日没と日出 [芸術祭作品・十日町北部]
東下組小学校の3F。突き当たりの音楽室が展示会場。
ずいぶんと広い校舎をいろいろなアートを見た後ようやくたどり着いた終着点といった感じ。
鑑賞者が音楽室を歩き回り、立ち止まる。その座標、天候、時間によって凹凸のドローイングは趣を異にする。
かなり難しい作品だった気がする。
ただひたすらに隆起し、波打つ壁。
時間をかけて、光線の当たり具合を変えて鑑賞するとちがった印象が得られそう。朝・夕方などは全く違った印象をうけるかもしれない。
マギー・カルデルス/残すべきもの [芸術祭作品・十日町北部]
東下組小学校の3F。大きなスペースに映し出される作品。
景色は妻有なのに、登場人物は外国の子ども。不思議な映像が繰り返し繰り返し映し出される映像作品。
映像作品はいろいろあるのですが、だいたいが娘が途中でリタイアするので見られません。この作品もその一つ。自然の美しさや廃校の寂しさが際だつような映像ではありました。
山崎龍一/Culture bound syndrome [芸術祭作品・十日町北部]
パーカーのフードを深くかぶり、様子をうかがう子どもの像。「引きこもる」人間の姿は、コミュニケーションの苦手な現代人のよう。
教室に座る人形の彫刻が妙に生々しい。
東下組小学校2Fにあります。
アート系カップルが同じ部屋にいまして、やたら彼女が可愛い人形だといってお気に入りで一緒に写真を撮ったり、アングルを考えたり楽しんでおられたのですが…。
私はあまり楽しい、という風には見えなかったです。ノートには「かえりたい」と書いてあるし、むしろ悲しい。
清掃用具入れに隠れてちょっとほっとしているような表情をしているし。
カップルのお二人が一番盛り上がっていた黒板消しが頭に直撃しているやつは全く笑えなかった。
なんで笑えないのか。妙に大人っぽい、あきらめの様子も見える曇った目が、なんかかなしくて。
「ネオテニー」な世界なのか、と思ってみてた。学校って、社会ってそんなに人を拒絶する存在なのか。うーん、うーん。
これは現代社会の病を投影する作品なんだろうか。なんか考え込んでしまいました。
嫌いって訳じゃなくて、考えさせられることが多かった作品。
丹下公仁/妻有の杜 [芸術祭作品・十日町北部]
山と里を行き来する「田の神」の去来伝承をモチーフにしたインスタレーション。作家は、時間をかけて集落のフィールドワークを行った。
作品は東下組小学校2Fの中ほどにあります。
天井の山のような、川の様な造形から、金の筋が雨のように降り注ぐ。降り注いだ雨は石板の大地をぬらし、稲を育てる。ひとつながりのストーリーの様な作品。
この作品、実に美しかったです。空き家で見たかったかもしれない。